トップページ >07)アート >「アートと地域」考えるシンポジウム

「アートと地域」考えるシンポジウム

 11月30日、静岡市葵区のサールナートホールで静岡大学アートマネジメント力育成事業事務局主催のシンポジウム「アートの力で、わたしが変わる。地域が変わる。」が開かれました。日本歯科医師会会長で静岡県立美術館、静岡音楽館AOIなど県内の文化施設の立ち上げに関わった大久保満男さん、劇作家・演出家の平田オリザさん、静岡大教育学部教授の白井嘉尚さん、オルタナティブスペース・スノドカフェ(静岡市清水区)代表の柚木康裕さんがパネリスト。静岡大教育学部特任教授兼人文社会科学部客員教授の平野雅彦さんが進行役を務めました。(橋)

20141203webコラム.jpg

 

 約1時間15分のシンポジウムで印象に残った発言を、ほんの一部ですが紹介します。

(大久保満男さん)
「貧困や格差は文化の分野でより強調されやすいですね。親が美術館、劇場に足を運ぶ習慣がないと、子供は成人になるまでアートへのアクセス権が奪われることになる。この連鎖は、公的な支援が整っている(一般的な)教育より顕著に表れることになります」

(平田オリザさん)
「日本の国立大学には、頭や体を鍛える機関はありますが、美術館や劇場など心を休める機関が一つもない。これは異常なことです。例えば、最先端の理系の研究者は発想力が勝負。アートに触れる機会が少ない状態では話になりません」

(白井嘉尚さん)
「(昨年から始まったアートマネジメント力育成事業について)参加者の熱心な姿勢が印象的。静岡の魅力を伝える潜在力の高さを感じました。それぞれが職場に戻った中で、経験したことをどう還元しているかは、検証する必要があると思います」

(柚木康裕さん)
「自分がリアルタイムで知っているわけではありませんが、1960~70年代の作家はお互いの芸術に対して今よりつっこんだ議論をしていたといいます。時代は変化しているけれど、アートは対話のきっかけとして重要な役割を担っていると思います」

(平野雅彦さん)
「ロンドン五輪・パラリンピックでは、英国全土の1000カ所以上で関連イベントが行われ、のべ4340万人が参加しました。2020年の東京開催に向けて、アートの分野もいろいろな局面でチャンスがあるはず。地方からの発進力を強め、国を変えていきたいと思います」

コメントを投稿

コメントを表示する前に承認が必要です。コメントが表示されるまで、少し時間がかかる場合がございます。


画像の中に見える文字を入力してください。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.at-s.com/mt1/mt-tb.cgi/49138

トップページ >07)アート >「アートと地域」考えるシンポジウム

ご案内

静岡新聞文化生活部の記者ブログです。
取材時のエピソードなどをアップします。
音楽、アート、鉄道、くらしなどがテーマ。
紙面にプラスのこぼれ話が満載です。


★文化生活部ツイッター ⇒こちら
「くらしず」の更新情報もお伝えします。

★アットエスニュース ⇒こちら
静岡新聞の公式ニュースサイトです。