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コンドルズ勝山康晴さんとの対話(上)

 12月11日付「情熱細胞」に掲載したコンドルズの勝山康晴さんのインタビュー。取材は約1時間半に及びました。ラジオドラマ+舞台公演の「STAND UP!~シズオカ独立宣言! 家康再起動」について、裏話を交えてたっぷり語っていただきました。紙面には掲載しなかったやりとりを、一部紹介します。(橋)

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▼ラジオドラマと舞台を組み合わせるというアイデアはどうやって出てきたんですか?

「僕、今年で43なんですが、いまだにメディアとしてインターネットになじめない。便利なのは分かるんですが、結局は中央(集権)のやり方じゃないですか。それとは違う、アナログなやり方を組み合わせて支持を得る方が格好いいと思ったんです。子供の頃にラジオドラマを聞いていたし、たまたま今、ラジオでパーソナリティーをやらせてもらっている。好評をいただいた昨年のエスパルスオフィシャルミュージカルのような舞台公演とメディアミックスすれば面白いはずと考えました」

▼製作にあたって、どんなことを重視しましたか?

「エスパルスのミュージカルでもそうでしたが、静岡がらみの人しか使わないことですね。『市民参加型』と銘打ったプロジェクトはいっぱいあるけれど、脚本がオリジナルじゃない場合が多い。ニューヨークや東京を舞台にして作らなければならないっていうのは、僕がやろうとしていることからすると意味がないんです」

▼全く違ったメディアを組み合わせることに不安はありませんでしたか?

「ラジオは見えないメディア。要素が一つ、欠落している。舞台は見えるけれど、再現ができない。やっぱり欠落している。だけど、その欠落しているからこそ魅力的なんですよね。今のメディアは、何でもかんでも情報をくれる。そこに飽きている人は、かなりいるんじゃないでしょうか」

▼家康が眠りから覚めるという設定はどうやって生まれたんですか?

「静岡市文化振興財団との話の中で、家康を使って何かできないかな、と。でも、単純な歴史物にしてしまってはつまらない。復活する、というパターンもあるけれど、タイムスリップして江戸時代にいったり、家康がタイムスリップして現代にやってくる話はこれまでもある。でも『実は死んでいなかった』というのはないんです」

▼「静岡県が独立する」という筋立ては?

「僕は地方の力っていうのを信じたかった。それで『独立するってのはどう?』って、スタッフに言ってみた。そうしたら、馬鹿受けするわけです。沖縄はもしかするとありそうですよね。北海道もありそう。でも、静岡って一番そういうことがなさそうな雰囲気じゃないですか。大都市と大都市に挟まれた地理的な条件もあるし、県民性もある。だから逆に、面白い物語になると思ったんですね」

▼登場人物のプロフィールが細かく設定されていますね。劇中の女性県知事、天野カナメは静岡高校出身で、同窓の岡田副知事より10歳以上年下ということになっています。こうした因果関係は物語全体の伏線になるんでしょうか?

「それほど大きくはありませんが、あるといえばありますね。静高から東大に行った、元官僚の女性知事。一方はたたき上げの副知事。まあ、おもしろくはないですよね。わりあいに知事に対して批判的」

▼どうして静岡県知事を女性にしたんでしょうか?

「これまでの歴史上、いませんよね。それが一つ。アメリカ大統領にもいないけれど、次は女性かなという予感がある。それで、もしそうなったら、この世界がどうなるんだろうと思ったんです。この作品で静岡が『独立』するんだったら、それを先取りできたら面白い。実験できないかなと。もちろん、ドラマを引っ張るためという理由もあります。家康が男である以上、知事は女であることが必要でした」

以下、次回。

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