コンドルズ勝山康晴さんとの対話(下)
12月11日付「情熱細胞」に掲載したコンドルズの勝山康晴さんインタビュー続報第3弾。ラジオドラマ「STAND UP!~シズオカ独立宣言! 家康再起動」の今後についても、ちらっと話が出ました。(橋)
▼ラジオドラマは全26回。ここまで(10回終了時)を振り返っていかがでしょうか?
「予期はしていましたが、とても面白いですね。実は僕、(役者の)録音は立ち会っていますが、完成したものはオンエアの時に、初めて聞いているんです。リスナーと同じ状態に身を置いて、どう聞こえるかが知りたいから。(そうやって聞いてみて)やっぱり、音の力ってすごいと思いました。(音響効果担当のディレクター)菊地君の仕事が細かいですね」
▼一番「面白い」と思われたのはどんな点ですか?
「場面場面を、リスナーが思い浮かべるわけじゃないですか。例えばやまだいちの安倍川餅を食べているシーンなら、静岡県という空間の中で、それをイメージしている人が5万人とか10万人いることになる。見えないものをみんなでイメージしている。その状況がすごく面白い」
▼舞台公演と、ラジオドラマはどんな関係になりそうですか?
「基本的には、ラジオドラマが2時間ぐらいの作品として再現される形になります。でも、変えているところもかなりある。ラジオの最終回が来年3月27日で、28、29日が舞台の本番なんですが、結末は違うものにしたいですね」
▼「エヴァンゲリオン方式」ですね。
「そうそう。舞台のラストはもう決まっていますが、ラジオはまだ決まっていないんです。収録もされていないし、脚本家とあれこれ練っています。途中の話も、舞台ではカットしたサイドストーリーを入れたり。みのりん演じる知事が官僚だった頃の話や、小早川がジャーナリストとしてのし上がった軌跡とか。いろいろ考えています」
▼同じタイトルの作品ですが、創作期間にタイムラグがあるのが特徴ですね。
「ラジオをしっかり聞いて舞台を見に来る方のイマジネーションを刺激したいですね」
▼ラジオのストーリーは今後、どんな展開になりそうですか?
「漠然としたことしか言えませんが・・・。今年は国際情勢がかなり大きく動いていますよね。企画した段階では、『独立』というキーワードにそこまでリアリティがなかった。でも、ウクライナや香港、スコットランドで現実にそうしたことが起き始めている。現実とシンクロしてしまったことに驚いています。僕らはそんな中で伝えたいことは、小さな幸せをたくさん集めて生きていくのが大切だよねと。小さな幸せを大事にする世の中がいいよねと。そういう話にしたいですね」
▼それは劇中の県知事の政策と重なりますね。
「託しているところがありますからね」
▼作品として目指していることは何ですか?
「ラジオドラマの名作『君の名は』は目標ですね。僕自身は聞いていませんが、母親がよく話をしていたのを覚えています。あれ以上に面白いラジオドラマはなかったと。調べてみると、すごい聴取率だったんですよね。制作側が書いたものを読むと、いかにチャンネルを変えさせないかに全てを掛けている。その情熱。絶対に最後まで楽しく聞かせるんだという意地。そこは是非、見習いたいですね」
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