標本連載の「アウトテイク」
1月5日付から始まった科学面の新連載「標本万歳」。撮影は昨年11月26日に行いました。動かない標本を次々撮影していくわけですが、ただ何となく撮るというわけにはいきません。「物撮り」はカメラマンの腕が試されます。ここでは、弊紙Aカメラマンが撮った連載第3回までに紹介した標本写真の、別カットをお届けします。(橋)
記事に使う写真ですから、原稿内容に沿った構図で撮影しなくてはなりません。しかし、撮影日の時点で原稿は仕上がっていませんでした。そこで、執筆する研究員にだいたいの原稿内容を聞き、想像をふくらめながら撮影を進めました。
第1回のベニヒカゲは「とにかく多様な種がいて、それぞれの標本がミュージアムに集まっている」のが分かることが重要でした。紙面には、思い切り引いて全種写っているカットを採用しました。個体一つ一つが小さくなってしまい、特徴はわかりにくいかもしれませんが、前記のメッセージを伝えるためには、それが正解だったのです。
こちら(↑)は美しさの面では、紙面掲載のものを上回るカットです。
第2回のオオウナギは、胴回りの太さや表面の文様についての記述と呼応するようなカットを採用しました。こちらはオオウナギの表情がわかる1枚。笑っているように見えますね。液浸標本を取り出したので、つんとした独特の香りが撮影部屋に充満しました。
第3回のカケガワオサムシ。研究員によれば、標本はラベルも含めて完結するものだそうです。恥ずかしながら知りませんでした。紙面では上から見たアングルでしたが、横から見るとこんな感じです。
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