12カ月のハンドメード(10)蜜蝋クリーム
蜜蝋クリームの作り方を教えてくださった佐々木悦子さんは、取材時に小さな卓上ヒーターと琺瑯のお鍋を持参し、手順を実演して下さいました。濃い黄色の蜜蝋がゆっくりとヒマワリ油に溶けていく様子を眺めながら、養蜂との出会いなどについてお話を伺いました。(長)
佐々木さんが蜂を飼い始めたのは2008年のこと。当時所属していたグループの中で「2008年に、8人で、ハチを飼おう」という話が持ち上がったのがきっかけです。前年の07年に長野で養蜂の講習を受け、08年4月、2箱分のハチを飼い始めたそうです。
養蜂は重労働で、一喜一憂の繰り返し。一緒に始めた仲間8人の中で、現在も養蜂を続けているのは2人ほどです。佐々木さんも今は、別の人にハチの世話をお願いしているそうですが、自分の手でミツバチを育てるという経験を通し、地球上の生物がそれぞれ恩恵を与えあって共存しているのだということを、より強く意識するようになったといいます。
今回のテーマは蜜蝋クリームでしたが、その効果は、まず自分の肌で感じたそうです。蜜蝋を採るときには、ハチの巣をゆで、ザルや布でこすという工程があります。一連の作業の中でお湯を触っていると、それまでアカギレがひどかった手がうるおっていくのを感じたそうです。「ハチを飼い始めてからは手荒れ知らず」と佐々木さん。これが、蜜蝋クリームを作り始めたきっかけになったといいます。県東部で不定期に行われているハンドメードイベント「ヨリミチ」では、佐々木さんの蜜蝋クリームが定番商品。ラベンダーやユーカリなどでほんのりと香り付けをしたクリームが、女性たちの心も癒しています。
取材中に出来上がった蜜蝋クリームを、お土産にいただきました。さっそく愛用の小銭入れに塗りこんでみると、確かに自然なつやが。革が喜んでいるみたいです。その日は指先もマッサージし、良い気持ちで眠りにつきました。
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