「アワのピザ」完成まで
木曜夕刊の連載「味わう文化財 しずおかの在来作物」の第9シリーズが完結しました。南伊豆町のアワ「リバイブ100」がテーマでしたが、最終回は調理法の工夫についていくつか紹介しました。同町のカフェ「e73」が開発したアワのピザ、オーナー高橋苗樹さんの苦心の作です。取材時にはその試行錯誤、実験の一端を明かしてくれました。(橋)
プチプチッとした食感と香ばしい香りを生かすために、一昨年から試作を繰り返したという高橋さん。まずは生地にアワを練り込むところから始めました。
アワ入り生地を広げたところ。よく見るとツブツブが分かります。
できるだけアワの味を感じさせるために、オリーブ油とチーズだけで焼き上げました。しかし、思っていたよりも生地のアワに「存在感がない」。そこで考えたのが、アワを炊いたものを生地とチーズの間に挟む方法。
これでアワの食感はある程度感じさせることができました。ただ、見た目は普通のピザと変わりありません。そこでもう一つ、工夫を加えることにしました。
こちらが高橋さんが「ピザせんべい」と呼ぶ、パリッとした食感のアワピザ。オリーブ油でローストしたアワを上に散らしてから焼き上げます。風味豊かに仕上がりました。
高橋さんは2011年に神奈川県鎌倉市から南伊豆町に移住。カフェの傍ら、サーフィンやアウトリガーカヌーを教えています。アワは、自身の畑の隣で「南の粟の会」の木下不二子さんが育てていて関心を持ったそうです。
現在は「裏メニュー」のアワピザ。収穫量が安定すれば、正式なメニューに「昇格」するかもしれません。高橋さんは木下さんたちの活動に期待を込めます。
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