戸田診療所のデザイン
2月2日付特集連載「21世紀建築」は、沼津市旧戸田村の戸田診療所がテーマでした。ひっそりとした漁村に建つ、ひときわ光を放つ建築は地区住民の社交の場としても機能しています。紙面では見せられなかった、別の側面を紹介しましょう。(橋)
設計者の中村聡さん(ナカムラ建築設計室)の意図の一つは、「さまざまな機能がデザインではっきり区分けする」ことでした。西面は長方形をいくつか積み重ねたような形ですが、これも診療部分と住宅部分がはっきり分かるように、という配慮です。
西側の壁は連続性を意識。無垢のヒノキ材を張ったのは「潮風で腐食したときは張り替えられるように」という機能上の意味も込められています。コンクリートに細長い板を模したデザインを施し、連続性を強調しています。
東側には診療所ができる前から保健センターが建っています。そこで、2階の連絡通路で行き来できるようにしました。診療所側には福祉関係の部屋が用意されています。
船室、キャビンを意識したという待合室。手前から青、緑、黄に色分けされています。これは事務、診察、治療という役割を分かりやすく視覚化したもの。「機能をデザインで区分け」の一環です。
南側の入口にはベンチが。日だまりになっていて、とても心地良い場所です。取材時に腰を下ろしてみましたが、ちょうどよく風が遮られ、春のような暖かさが醸し出されていました。
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