「めぐるりアート静岡」開幕
2月3日、静岡市内6会場で「めぐるりアート静岡」が開幕しました。3日付朝刊では鈴木康広さんのトークの模様をお伝えしました。ご自身のものの見方や、創作のヒントなどをちりばめながら、出品作を解説。興味深い内容でした。(橋)
今回はロダン館の空中にプラスチックフィルム製の人型をつるした「空気の人」などを出品。県立美術館は、人生の転機となった場所でもあったそうです。
「東京造形大に入学してすぐ、〝5月病〟にかかってしまいました。そんなときに訪れたのがここ(県立美術館)。ちょうど(アルベルト・)ジャコメッティの展覧会をやっていて、衝撃を受けた。彫刻ってこういうことなんだ、と」
展示場所にロダン館を選んだのは「やっとロダンの作品に興味を持てる〝適齢期〟にさしかかったから。素通りできなかった」と話しました。
高校時代にアイデアが生まれた「手の石鹸」「足の箸」なども出品。「高校生の自分の考え方と、30代の今の自分の考え方が比較できるんです」。自分自身の〝輪郭〟を見いだす効果もあるそうです。
県立美術館エントランス周辺には石上和弘さんの5作品が。「裾野に歩く、山腹に寝転がる」はスギ材を使った富士山。2013年作ですが、県内で本格的に公開するのは初めてだそうです。
こちらは石上さんが得意とする牛の彫刻「坂道のポーズ」。美術館の入口で白い牛が水を飲んでいるように見えます。たった1体が、かしこまったイメージの美術館玄関口の雰囲気をがらりと変えてしまいました。そうした意味において、破壊力抜群の作品と言えるでしょう。
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