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藤原由葵さんとの対話(下)

 静岡市駿河区の駿府博物館で2月7日に開幕した企画展「画家藤原由葵―ここに生息!」。出品作家の藤原由葵さんへのミニインタビュー、第2弾です。(橋)

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▼性的な表現の中にも、生きる喜びが伝わってきます。
「悲観的になったり、自分のつらさや悲しみをアピールするのは嫌いです。作品にはあまり入れないように。自分のことではなく、(鑑賞者の)皆さんに関わっていることをテーマに表現しています。デッサンに基づいて、できるだけ最善を尽くし、丁寧に一つずつ。手抜き、雑さ、無責任がある作品を残したくないという気持ちが強くあります」

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▼お話をうかがっていて、思考が職人的であるように感じられます。
「確かにそうかもしれません。嫌だろうが何だろうが続けるという。これ(画業)が自分の定めだと思っています。師匠(杉山照治氏)には、デッサンをしっかりやっていれば何でもできると教わりました。まだまだ発展途上だし、足りない部分があることは自覚しています」

▼そもそも、どんな経緯で絵の世界で生きていこうと思ったのでしょうか。
「(作品の発表を)続けたらそうなっちゃったんですよね。継続しているとだんだん認められるというのは、他の世界でもあるかもしれません。私の場合、ほかに(生きる)手段がなかったということもありました」

▼では、アートの世界に接するようになった時期はいつごろでしたか?
「師匠のところに通い出したのが8歳の時。親に強制されたわけではありません。当時の私はまるで『世捨て人』のようだった。周囲から浮いていて、ほかのことには何も興味が持てない子供だったんです。学校では絵を描く時だけは『自分に与えられた時間』と感じられた。ほかの授業はたいてい受動態ですよね。『聴いて学ぶ』という。絵だけは自分で(アイデアを)出せる時間だった。生きつないでいけるんじゃないかと思ったんです」

▼当時、好きな画家やアーティストはいたんですか?
「それが…いないんですよね。もちろん、子供の頃からいろいろな絵を見ました。親が展覧会に連れて行ったりもしてくれましたし。でも正直なところ、『あこがれの画家』はいないんです。『よくそれでやっていけるね』と驚かれることもあります」 

 藤原さんの展覧会は3月15日まで。2月28日午後2時からアーティストトーク、3月7日にワークショップ「藤原由葵の楽しいデッサン入門編」が開かれます。特設サイトはこちら

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