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藤枝市瀬戸ノ谷、受け継がれる年中行事(下)

 2月12日夕刊で紹介した藤枝市瀬戸ノ谷の平口家の年中行事。2月3日の節分も例年通り行いました。取材に行ったのは4日午前。「ヤイカガシ」や「オニオドシ」を見せてもらいました。(橋)

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 節分の夜は、柳の枝で作った箸で食事をします。この食事で食べたメザシの頭を残しておいて、ヤイカガシに使います。別の柳の枝を半ばぐらいまで割っておいて、そこにニンニク、メザシを香花の葉で巻いたものを挟みます。

 これを炭火にかざして焼きます。ニンニクと魚の焼ける、強い臭いがします。ただ、それが嫌な臭いかと言えばそうでもないのですね。何というかイタリア料理店のようなおいしそうな香り。オリーブ油を火にかけて、刻んだニンニクとアンチョビーを炒めている絵が思い浮かびました。
 平口好三さんにそのことを告げたら、笑っていらっしゃいました。

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 ヤイカガシは香花、ヒイラギの枝と一緒に玄関、離れや車庫の入口に飾ります。このときに「ヤイカガシの候、隣のじんじい、ばんばあ、あかぎれ足へ白足袋履いて、しゃらくーさい」と唱えます。この文句が、地域によっては「席駄や足袋履いて」や「長いキセルで」などという言い回しになっていて、大変興味深いものがありました。

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 門には古いかごやびくなど、竹で編んだ農具を掲げます。これがオニオドシ。編み目が「目」に見えることで、鬼が驚くといういわれによるものです。まだ「目」が広がっていない新品は使いません。ぼろぼろになったものの方が良いそうです。

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