光琳作、国宝の共演
2月14日、熱海市のMOA美術館で開催中の「尾形光琳300年忌記念特別展 燕子花と紅白梅 光琳アート 光琳と現代美術」に行ってきました。(橋)
向かい合わせに展示された国宝の「燕子花図屏風」「紅白梅図屏風」、光琳や琳派に影響を受けた現代アートの作家たちの代表作など見どころ多数。琳派400年、光琳没後300年という記念の年にふさわしい、確かな構成の展覧会でした。
作品は2つのフロアに分けて展示されています。2階から階段を伝って降りると、漆黒の闇が広がります。展示全体の中でも、異彩を放つこの空間に引かれました。順路の中程で、居ずまいを正したくなる雰囲気があります。
飾られているのは杉本博司さんの「月下紅白梅図」と「華厳滝図」。「月下紅白梅図」は〝本家〟とほぼ同じ大きさの二曲一双。闇空間に浮かび上がるモノクローム一色の世界は、構図の妙を一層際だたせ、じっと見つめているとなんだか極彩色にも感じられる不思議な感触です。
来場者は皆、それぞれに足を止め、しばし無言でじっと見据えていました。まるで仏像を見るように。作品の力を物語るシーンでした。
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