牧之原市相良総合センター
2月16日付特集連載「21世紀建築」では、牧之原市の相良総合センターを取り上げました。旧相良町初のホールとして計画された同センター。旧町民の八木利喜弥さんの郷土への思いが細部にまで宿っています。(橋)
「子供のころは、沖合を行く大型船をずっと見ていました」と八木さん。高台から市街地を見下ろすセンターに、箱舟のイメージを重ねました。
テラコッタで彩られたホールを、ガラス箱で包んだような外観。どこまでも伸びていくようなひさしのラインが、水平を強調しています。
ロビーから外を見たところ。整然と並んだ細い柱は、ち密な構造計算によるもの。「2009年8月11日の駿河湾地震では、真っ先に相良総合センターのことが頭をよぎりました。だが被害はまったくなかった。胸をなでおろしました」(八木さん)
よく見ると、ホール部分の壁と屋根の間に、自然光が入る隙間が開けられています。壁に落とす影の演出が狙いです。
ホール内部。上空から客席に自然光が降り注ぎます。天窓の上にはロール式の遮光カーテンが付いています。ゆっくり暗くなっていく様子は、日没の風景そのものだと感じました。
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