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連載「高校理系部活ラボ探訪」の意図

 2月22日付科学面の不定期連載「高校理系部活ラボ探訪」。14回目は県立御殿場南高生物部でした。2013年1月から、だいたい2カ月に1度のペースで掲載しています。取材を重ねる中で、各校の「理系部活事情」もさまざまであることが分かります。(橋)

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 特に区切りの良い回数でもないのですが、14回目を機に全体を振り返ってみました。

 7校が「自然科学部」「サイエンス部」などと包括的な名称になっています。ご想像の通り、これは複数の理系部活の統合によるもの。例えば掛川東高サイエンス部は1999年に生物、物象の2部が、清水東高自然科学部は2002年度に物理、化学、地学、生物の4部が、藤枝東高は2009年度に生物、地学の2部がくっつく形で発足しています。

 部員が集まりにくくなったこと、顧問教諭の専門分野とのミスマッチが影響しているようです。今回の御殿場南高生物部は、部の名前とは異なり化学の色彩が強い研究でした。

 理系の部活動は、新聞などマスメディアで取り上げられる機会が、運動部に比べ圧倒的に少ないのが現状です。全部員が10人に満たないことも珍しくありません。
 ただ、取材先でお会いする高校生や顧問の先生の情熱は、運動部に負けてはいません。限られた予算、設備の中で創意工夫を重ね、文献を読み解き、地道な実験を繰り返してデータを取っています。

 「かっこいい結果がでなくてもいいんだ」。ある顧問の先生が言いました。「真摯にデータをとり続けること。それ自体に価値がある」。そのとおりだと思います。人類に資する研究を求められる企業や研究機関のラボと異なるのはその点です。

 本連載で伝えたいことは、研究結果ではなく過程、道筋です。高校生たちは「甲子園」や「花園」や「国立」を目指す運動部の部員と同様の熱量で研究に取り組んでいます。その姿を、これからも紹介し続けたいと考えています。

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