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東京ローカル・ホンク、浜松でライブ

 2月24日、浜松市西区の「エスケリータ68」で東京ローカル・ホンクのライブが行われました。昨年11月の「しずおか連詩の会」に参加した木下弦二さんが、ギターと歌を務める4人組。「詩人」として連詩に取り組んだ4日間から一転、ソングライター、歌い手、ギタリストとしての魅力を存分に発揮しました。(橋)

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 「たまらない夜」で幕開けしたライブは、終始フレンドリーな雰囲気に彩られていました。11月の「連詩の会」の会期前に毎日聴いていたCD3枚の収録曲が次々演奏され、個人的にも感無量でした。

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 ダルなテンポの「虫電車」、軽快なリズムを刻む「遅刻します」、ゴスペル的な美しい4声とギターだけで演奏した「夜明け前」、スライドギターが主旋律に切り込む「拡声器」、Pファンクを高速化したような「社会のワレメちゃん」…。とことんグルーヴィーなリズム隊、シャープなリードギター、気の利いた循環コードとシンプルなメロディーの対比、揺るぎないコーラス。4人編成のバンドがなしうる最大限の表現が、高度な演奏力で繰り広げられるのですから、楽しくならないわけがない。あっという間の2時間でした。

 そんな中でも、演奏の中心にあったのはやはり木下さんの歌声、歌詞。「連詩の会」の時に「伝わらなくちゃ意味がないと思うんですよ」と、繰り返し言っていたことが思い出されました。

 描写しているのは目に見える風景。でも、単なるスケッチに終わりません。いつの間にかそれが、歌い手の視点へとグラデーションのごとくスライドしていくのです。それもおしつけがましくなく。このなめらかな連続性こそ、木下さんの詩世界の美点だと思います。

 イントロがなく、いきなり「蛾が一匹」で始まる「虫電車」は、そんな特質がよく表れています。少しだけ引用させていただき、今日の記述を終えたいと思います。
 
蛾が一匹 
電車のドアが開いて
乗ってきたのはそれだけ
隣に住んでる子供たちの
泣き声を聞いてると君に会いたくなる

(「東京ローカル・ホンク」収録の「虫電車」)

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