心に刻む震災の傷 倉本聰さん脚本「ノクターン」
ドラマ「北の国から」でおなじみの脚本家倉本聰さんが、行き過ぎた文明社会を痛烈に批判しています。2月25日に磐田公演があった舞台「ノクターン 夜想曲」は、東日本大震災と福島第1原発事故に遭った福島の人たちの物語。27日には、裾野市民文化センターでも上演されます。(宮)
震災で家族や同僚を失った配管工や新聞記者。謎の女性が構えるアトリエで言葉を交わすうちに、被災時の忘れられない記憶があふれ出します。全編を流れるピアノ曲はショパンの「ノクターン」。ユダヤ民族大量虐殺という悲劇を経験したショパンの故郷ポーランドで、復興を象徴する曲として愛されています。悲劇を風化させるなという誓いが会場を包みます。
倉本さんは北海道で創作集団「富良野GROUP(グループ)」をつくり、同志の俳優らと演劇活動を展開しています。「ネオンがキラキラ、クーラーがガンガン効いている都会でエネルギー政策なんて考えられるのか」と倉本さん。地方で舞台をつくるだけでなく、文明社会との向き合い方を真っ正直に示しています。
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