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在来作物を探し出せ

 2月26日、富士宮市民文化会館に行ってきました。富士宮西部の生産者らが今年、地元の在来作物を発掘するプロジェクトをスタートさせたのです。(橋)

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 正式名称は「富士山西麓の在来作物を調査し、農家・市民の手により継承するプロジェクト」。約1年前からこの分野の取材をしていますが、地域の若手が集まって能動的に発掘しようというのは珍しい事例です。この日は、13人が集いました。地元野菜の料理を試食しながら、各所でヒアリングした結果を発表しました。

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 皆さん、まだまだ手探り状態。「どうやって、動けばいいのか」という問い掛けもありました。実際に各所を巡った方の体験から、「畑にいるおじいちゃんおばあちゃんに直接聞く」「〝在来〟と言っても分からない。『昔から食べているものない?』と聞くと、話してくれることが多い」などといったノウハウが伝えられました。

 実際に見つけ出した方は種を持参していました。特に、「夏に収穫する」という通称「夏アズキ」に、参加者の関心が集まりました。

 プロジェクトでは、このアズキやソバをおのおのが実際に種まきし、1年間かけて生育状態をチェックします。土地の違い、気候の違いでどんな違いが生まれるのか。または、違いはないのか。どんな味がするのか。「種」を出発点に、地元の作物の魅力を探り出し、地域活性化に役立てようというのが狙いです。

 静岡大大学院農学研究科の稲垣栄洋教授は、「在来作物は見つけるだけではなく、磨くことで輝く」と話し、(1)ブランド化(2)加工品にする(3)飲食店と連携(4)ツーリズムに役立てる(5)子どもたちと育てる…と、活用法の例を挙げました。

 このプロジェクト、今後も注視しようと思います。


 

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