緑地に育つ松の謎 ヤマハ中沢寮
4月6日付「21世紀建築」は浜松市中区のヤマハ中沢寮を訪ねました。2008年以後は女子専用。開放感とセキュリティーの両方を追求した、非常にモダンなデザインの社員寮。敷地内の緑地に、ちょっとしたストーリーがありました。
寮棟南側の芝生を植えた緑地をよく見ると、縁石の内側を沿うようにして、点々と小さな松の木が生えています。まるで誰かが整えて植えたかのようです。
種は寮西側の松林から風に乗って飛んでくるのでしょう。でも、緑地の真ん中には一切なし。取り囲むようにして芽が出ているのです。
舎監の林英雄さんが謎解きをしてくれました。
「ほとんどの種は、芽を出す前に鳥が食べてしまうんですね。でも、縁石の脇に落ちた種はくちばしでつっつきにくい。だから生き残っているんです」
伐採はしません。「いつか、この寮の前に小さな松の樹列ができたら美しいと思うんです」
こちらは日の入り少し前に撮影した中庭。やわらかい光が、仕事を終えた寮生を迎えます。「居心地が良いのか、確実に4年以上は住むんです」。林さんは誇らしげに言いました。
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