「テルマエ・ロマエ」原画展
古代ローマ人が現代日本にタイムスリップして浴場文化を学ぶという設定で人気を集めた漫画「テルマエ・ロマエ」の原画展が、23日から菊川市の常葉美術館で始まります。(小)
著者のヤマザキマリさんはイタリアで美術を学んだ経験があり、イタリアの歴史、文化に関する考証やデッサン力は歴史家や美術家もうなるほど。展覧会を紹介する12日朝刊記事に寄稿していただいた本村凌二早稲田大特任教授も、「ハドリアヌス帝別荘の浴場の水は石灰分が多い」という主人公のセリフに「作者のひとかたならぬ見識がにじみ出ている」と絶賛しています。
本村教授には「馬の世界史」(中公文庫)という名著があります。ヒッタイト、匈奴、ローマ帝国などを例に挙げ、馬がどのように人間社会とかかわってきたのか、世界史にどのような影響を与えたのかを分析しています。「テルマエ・ロマエ」で伊藤温泉(伊東温泉がモデル?)の町中を主人公が「ベン・ハー」よろしく2頭立てのチャリオット(戦闘用馬車)で疾走するシーンなどは、本村教授の研究を参考にされたのかもしれません。
本村先生によるとヤマザキさんがとり・みきさんと合作でネロ帝時代の博物学者を描いている「プリニウス」も素晴らしい出来栄えなのだそうです。
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