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21世紀建築・ナンズヴィレッジ

 巨大な星型シェードが目を引く商業施設「ナンズヴィレッジ」を31日付朝刊「21世紀建築」で取材しました。この場所には長年下田の街のランドマークだった南豆製氷所がありました。木造平屋建て2棟の建物はシンプルですが、街の「レガシー」を受け継ぐ工夫が随所に施してあります。(小)
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 ナンズヴィレッジは伊豆急下田駅から港へ抜ける遊歩道と、白浜海岸から市街地につながる国道135号沿いにあります。外壁の黒は、幕末、下田に来航した黒船のイメージから。海に浮かぶ船を見て「何をしているんだろう」と岸辺の人たちが思うように、道行く人にナンズヴィレッジに関心を抱いてもらいたいということで、レストラン棟はガラス張りの壁面です。

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 また、レストランの厨房カウンターや店の表札には、旧南豆製氷所で使用されていた伊豆石を再利用。約100年前にこの石を切り出した人はこんなお洒落な形で石が再利用されるとは想像しなかったかと。
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 レストランの看板メニューは地魚を使ったブイヤベース。下田といえばキンメダイが有名ですが、流通が少なく、知られていない地魚が他にもたくさん採れるそうです。そういった魚を煮込み料理の具材などにして提供することで、商業ベースに乗せ、地元の漁師さんたちに利益を還元したいと、運営するヴィレッジインクの梅田直樹さんは熱く語っていました。またテナントに入っている物産店でも地元産海産物を豊富に扱っています。
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 9月21日の本格オープンを前に準備が進めるスタッフに何人もの通行人が「何ができるの?」と尋ねていました。「場所は人がつくっていくもの」と設計者の安藤泰さんは取材時に繰り返し説明していました。多くの人が関わり合って、歴史ある場が新たに発展していくのが楽しみです。

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