三浦しをんさんトークショー
17日夕刊くらし面に作家三浦しをんさんと、婦人公論編集長の横山恵子さん(浜松市出身)のトークショー詳報を掲載しました。紙面では人間関係の構築には会話力が重要という内容で紹介しました。このブログでは、物語のネタバレになるため紙面に載せられなかった話などを取り上げます。(の)
三浦さんの新作「あの家に暮らす四人の女」は婦人公論で連載されていました。そもそも、この作品のベースは谷崎潤一郎の「細雪」。登場人物の名前を見れば、分かる人には分かります。この物語の魅力はカラスが話し出したり、カッパが活躍したりする奇想天外な展開。そのあたり、三浦さんは「最初は3人称の神の視点で始まるが、途中で視点・人称が変わる。最初の神の視点が誰だったのか、分かるようなつくりになっている。そうでなければ、カッパの干物なんて登場させないですよね」。ただの思い付きではない、計算された展開なのです。
人称や視点が変わるのは業界では素人作品だと言われるそうです。ですが、「本当にそうなのかと。そこをクリアできるのがこの設定だ」と考えて生まれたのが新作です。三浦さんによれば、谷崎潤一郎もかなり視点が「奔放」だそう。「私はタニジュン先生の熱心な読者ではないんです。○○だから。そこが魅力ですけど。それが小説につながっているし、圧倒的に面白い」と分析しています。三浦さん、ユーモアがあってトークがとても面白い。
横山編集長は雑誌編集の経験から語ってくださいました。「結婚生活を続けていると、夫に期待しないし、自分で家事を回すほうが楽だという人もいる。息子かわいさに母親がダメ息子を作っているのかも」なんて分析も。とても気さくな方で、県内出身者が活躍していると思うと、とてもうれしいです。
※○○の部分は想像にお任せします。
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