「CRY.IN.PUBLIC」
三島市の「クライ・イン・パブリック(C.I.P)」は、個人が無料配布する小冊子「ジン」の製作者(ジンスタ)たちが集まり、今年1月にオープンしたオルタナティブスペースです(小)。
スペースの一角には、色も形もさまざまなジンのコレクションコーナーがありました。ジンはマガジンの略で、個人の内面的な思いや趣味など書きたい内容を、好きな形体、好きな文体で記す、とてもパーソナルなマイクロマガジンです。
C.I.Pのメンバーから譲っていただいた数冊のジンを読むと、とても自由に思いをつづっている印象を受けます。個人が自由に書き記すことを目的に開発されたはずのブログやツイッターが、よりフォーマルなものに感じてしまうほどです。インターネットを介して世界に個人の文章を広げることを想定しているか、対面的な配布に限定し、リアルな世界の住人に向けているかという「つながり方」の設定の違いとともに、20世紀までマスメディアの重要な要素だった紙というメディアの固有性が逆説的に表れているのかもしれません。
というわけで、C.I.Pの場所も、非常にパーソナルなつながりを生んでいます。当初、市街地の地域振興的な目的で設立されたのかと思って取材を申し込んだのですが、メンバーのみなさんから、メンバーや利用者の居場所づくりが目的で、運営費もカンパで賄うなど、よりゆるやかなつながりを前提としていることを丁寧に説明してもらいました。
個人と社会の繋がり方や、人が集う意味についてあらためて考えさせられた取材でした。
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