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建築としての芹沢銈介美術館

 建築評論家の五十嵐太郎さんが静岡市クリエーター支援センター主催のトークイベントに参加された折、県内のオススメ建築物について話をうかがいました。五十嵐さんの一押しは芹沢銈介美術館でした。(小)

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 「建築家白井晟一の真骨頂」とおっしゃる五十嵐さんの言葉に押され、静岡市駿河区の同館をあらためて訪れてみました。確かに素人目にも噴水のある中庭を中心にした回楼型の建物は、光の取り入れ方に細心の注意が払われ、小品を中心とした作品群をゆったり鑑賞するために考え抜かれています。またエントランスのマツの後方に噴水が重なる意匠は、芹沢銈介が取り組んだ文字絵の重複性を示唆しているようでした。また素材には石や木がふんだんに使われています。同館を訪れるとなぜ癒された気持ちになるのか、その理由のいったんが分かった気がしました。それまで芹沢作品にばかり目を奪われていたのですが、同館を訪れる楽しみがまた増えました。

 弊紙では今月上旬まで、特集連載「21世紀建築」で、21世紀に建てられた県内の建築物を計39回にわたって取り上げました。しかし前世紀後半の建築物も含め、紹介しきれなかった名建築も数多くあります。五十嵐さんはその他にも、草薙体育館が周辺の土地を盛り上げて高さによる圧迫感を視覚的に抑制している手法や浜松市の新進気鋭の建築ユニット「ダジバ」の作品に注目していました。
 
 今後も、県内の魅力的な建築物を、機会をとらえて紹介できたらと考えています。

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