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さくら棒が出来るまで

 28日付朝刊「地の味人の味」は、ピンクの長い麩菓子「さくら棒」で有名な栗山製麩所を紹介しました。パンと張って、つやつやな長い麩が出来上がるその裏には、半世紀を越えて磨き続けた技があります。(の)

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 創業80年近い製麩所ですが、一度は売り上げが落ち、店を畳むことも考えたそうです。その窮地を救ったのが「さくら棒」ですが、このように長く美しく焼くのは簡単ではなく、県内では栗山さんと、もう1軒ほどしかないそうです。「今でもきれいに焼くのは難しい」と話す栗山さんですが、その仕事は無駄がなく、長年積み重ねた経験がものをいうことが、見ていると良く分かります。

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 色を付けた生地を切り分ける作業では、はかりを使いません。左手で持ってみて、軽ければ生地を足します。いとも簡単に見えますが、熟練の末に身に付けたもの。円柱形に軽く形を整えたら、右にある水を張ったシンクに生地を漬けます。さらに形を整え、焼麩釜(やきふがま)でいよいよ焼きます。

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 焼麩釜にはこんな風に生地を伸ばします。色や伸び方がまるでチューインガムのようです。そこへ写真のようにじょうろで水をかけ、ふたをして蒸らします。この水の量もはかるわけではありません。でも毎回同じように焼きあがるのです。つくり方はシンプルで、どんなところに工夫が??と思ってしまうのですが、無駄のない動きの全てが職人技と思わされました。

 さくら棒と、みそ汁用の麩を買いました。さくら棒はカリッ、フワッ。みそ汁の麩もこれまで食べた麩より密度が高く、断然なめらかで、手作りの良さを感じられました。麩饅頭に使われる生麩も麩の一種。種類形が豊富で栄養もある麩を食事に取り入れてみてはいかがですか?

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