さいらく
毎週木曜夕刊の旅食面「味わう文化財」で今月は、島田市や藤枝市の中山間地に残っている在来の渋柿「さいらく」を取り上げています。(小)
日本における柿の歴史は古く、奈良時代にはすでに中国から伝わっていたということです。ものの本によると、江戸時代に園芸用としてさまざまな品種改良がほどこされ、登録されていないものも含めると、なんと約千種の柿があるとのこと。そしてその大部分が、さいらくのような渋柿なんだとか。
島田市伊久美地区に残るさいらくの古木を案内していただいた農産物加工体験施設やまゆりの永橋さんによると、完熟したさいらくの実は、甘柿より甘いそうです。実際自分も試食させてもらいました。少し渋が残っていたせいか、口の周りがピリっとしたものの、確かにしっかりとした甘さがありました。ただ、実が小さい割に種が大きいので食べるのに少し手間取ります。でも、地元ではその種の大きさこそさいらくの魅力であると考えられていました(詳細は8日と15日の紙面で紹介します)。
柿は日本全国どこでも目にする果樹ですが、だからこそ地域独自の古い言い伝えや風習が残っているのかもしれません。
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