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「老い」の価値見つめて

 昨日8日夕刊くらし面で、沼津市在住の民俗学者、六車由実さんの著書「介護民俗学へようこそ!『すまいるほーむ』の物語」を紹介しました。記事で触れたように、お年寄りのさまざまな人生模様が短編小説のように描かれ、引き込まれました。老いるとはどういうことか、考えさせられる一冊です。(岡)

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 六車さんは民俗学研究者としての経験を生かし、お年寄りとの「聞き書き」を続けてこられました。生き生きとした描写は「曖昧ではダメ、何度もしっかり聞く」とおっしゃっていた言葉に裏打ちされています。取材は沼津のデイサービス施設「すまいるほーむ」に伺いました。民家を改装した室内には、利用者が手作りした飾りが並び、アットホームな雰囲気。熱海でとある男性との切ない思い出を紹介されていた女性もいらっしゃいました。

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 本の中では、公営団地に一人で暮らす女性の姿、家族介護の難しさもつづられています。ただ、お年寄りの人生をすごろくにまとめる、思い出の味を皆で再現する、という取り組みは老いの価値を見つめ直す明るい手立てではないか、と感じました。何度も読み返したい1冊です。新潮社から定価1500円で出版されています。

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