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詩と音のグルーヴ

 今年のしずおか連詩の会に参加する三角みづ紀さんと浜松市出身のミュージシャン小島ケイタニーラブさんが12日、静岡市内で詩と音楽のセッションを行いました。三角さんの朗読に、小島さんがさまざまな音を重ねていくというインスタレーションで、詩と音のグルーヴを体感することができました。(小)

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 三角さんが朗読した「日々と享受」は彫刻家の石上和弘さんと開いている2人展用に書き下ろした作品で「いま、/枝が感情を持つ。」というフレーズを繰り返しながら、日常から受け取る感覚を詠っています。
 セッションでは、三角さんが作品を一節ごと朗読しながら、ルーパーエフェクターを使って録音と再生を繰り返しました。一節を録音し終わるとすぐに再生し、さらに次の一節を重ねて録音します。繰り返すことで徐々に詩の全体像が表れてくるという趣向です。一方小島さんは、タイミングを見計らって鈴やギターの音、虫の音などを録音していきます。最初静寂がおおっていた会場が、最後は言葉と音で満たされました。
 正直「詩の朗読」というと単調で退屈な印象を持つ人も多いと思います。でも、アイデア、あるいはセンス次第で、こんなに堪能できるんだということを会場にいた人たちは実感したのではないでしょうか。(自分も驚きました)
 小島さんはセッション前に古川日出男さんの傑作小説「ベルカ、吠えないのか」からインスピレーションを受けて作曲した楽曲も披露しました。これがまた出色で、小島さんが古川作品を読み込んでいることがひしひしと伝わってくるものでした。今回のセッションも2人の、言葉と音に対する深い理解と愛があったからこそ輝きを放ったのだと思いました。

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