コノ絶景「片桐鍛冶店」
2日付朝刊「ソノ仕事×コノ絶景」では、片桐鍛冶店を紹介しました。浜松市天竜区佐久間町の西渡(にしど)は山あいの元宿場町。すぐ隣は天竜川が流れる渓谷が迫り、文字通り「絶景」の地にありました。(の)
新聞に掲載した写真は「金原鎌(きんぱらがま)」をたたいている場面でした。1000度を越えるコークスに入れて熱し、オレンジに光る鎌をハンマーでたたいて形作る。84歳の片桐さんは70年の間、鍛冶一筋。新聞だけでなく、テレビや雑誌、デジタルメディアなど数々の取材を受けています。説明は滑らかで、自分がメモしたノートを読み返すと、大切な部分を話してくださっているのがよく分かりました。職人だけど気さく。鍛冶の話の合間に6人の弟妹や孫らの話が出ると、もう止まりません。大切にしているのが伝わります。
上の写真左が金原鎌です。右は東日本地域で使われることの多い鎌とのこと。これに1メートルほどの柄をつけて、下草刈りなどに使われます。柄の付いた金原鎌があったので持ってみると、とても重い。女性や高齢者、素人では使いこなすのは難しそうです。山林用刃物が中心なので、なたやのこぎりもあります。
取材した日は掛川市からお客様が見えました。「丈夫でよく切れる。ほかの店のはもう使えないよ」と写真の鎌を買って行きました。のこぎりとなたの2本セットが売れ筋とのこと。その鞘がまたすてきでした。木製でしっかり収まる。表面は皮が張ってあり、高級感があります。包丁も売っていたので、片刃包丁を購入しました。吸い付くように切れるとは、こういうことを言うのかと知りました。まだまだ使い慣れないですが、大事に使いたい一生ものの一品です。地域の物産展で販売することもあるので、お店以外でも目にする機会があるかもしれません。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.at-s.com/mt1/mt-tb.cgi/54476