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民俗学の泰斗

 11月13日付朝刊の「清流」にも書いたのですが、本県出身の民俗学者で文化功労者に選ばれた野本寛一先生のご自宅で書庫を拝見する機会に恵まれました。野本先生の調査ノートの束の写真に、私が感じたオーラは写っているでしょうか(小)。

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 先生によると民俗学の調査を初めてしばらくは、大きいノートだと相手に警戒されるので、小さいA5サイズをもっぱら携帯していたそうです。ただ、そのうち書きやすさを優先して読みやすいB5サイズに移行したとおっしゃっていました。

 野本先生が「環境民俗学」を提唱されたのは、昭和50年代前半、大井川を最上流から河口まで歩いて習俗を調査されたことがきっかけだったそうです。流域の家々の茅葺屋根の素材が、上流から下流に向かうにしたがって、ツガや杉の皮、小麦の藁、稲の藁に移り変わっていくことに気付き、いかに暮らしに自然が影響を与えているかに思いいたったとおっしゃっていました。

 書庫にびっちり埋まった偉大な民俗学者のノートの束を拝見してまず思い浮かべたのは、自宅の本棚の取材ノートの少なさでした。全長168キロの大井川を歩いて調べることは正直なかなか難しいですが、先人が県内に残した足跡を少しでも追いかけつつ、ノートの冊数を増やしていきたいと思います。

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