中勘助文学記念館で
静岡市葵区の郊外、田園が広がる中に中勘助文学記念館があります。開館20周年を記念してトークイベントがありました。「"この1曲"をとことん語る ラベル:弦楽四重奏曲~中勘助のレコードコレクションから~」というタイトルに引かれて、取材に行きました。何度か訪れたことがある記念館ですが、中愛蔵のレコードがあるとは知りませんでした。芸術の秋らしく、文学と音楽の香りに包まれたひとときでした。(岡)
これがラベルの弦楽四重奏曲のSPレコード。ノイズはありましたが、息の合ったハーモニーは聞き応えがありました。ラベルが取り入れた「空虚五度」の和音、難解なテンポの解説も分かりやすく、ラベルがドイツ音楽へ挑戦した響き、そして、この音楽を聴いていた中勘助のセンスに脱帽でした。 レコード棚も重厚なただずまいです。古典からオペラ、ショパンのピアノ練習曲、シュトラウスの祝典音楽、ストラビンスキーの「春の祭典」まで、レパートリーは幅広いです。
この日は雨が降りしきる中、記念館の座敷で聞きました。杓子庵のかやぶきが雨にぬれ、庭木の紅葉が美しく、しっとりとした時間でした。
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