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大谷崩も秋なのさ

 紅葉情報の取材で、静岡市葵区梅ケ島の大谷崩を訪れました。幸田露伴の次女で文筆家の幸田文が随筆「崩れ」で「近づきがたい畏怖があり、しかもいうにいわれぬ悲愁感が沈殿していた」と描写した景観も錦に染まり、荒々しさに優美さが加わっていました。(小)oyakuzure.bmp

 日本三大崩のひとつとされる大谷崩は、1707年の宝永地震で高さ800メートルの山体が崩壊し、1億2千万立方メートルの土砂が安倍川の源流に流れこんだとされています(現在も砂防工事中です)。

 ただ、秋の大谷崩は、静岡らしいぽやぽやした周囲の木々の紅葉が、優しさを醸し出していました。頑固一徹の峻厳なおじいさんに赤いちゃんちゃんこを着せて小春日和の縁側に猫と一緒に座らせたような感じ、といえばいいでしょうか(下手なたとえですみません)。

 周囲の木々の植樹も、地元住民やボランティア団体が長年続けてきたとうかがいました。自然の厳しさと美しさ、それに対する人間の地道な営為が感じられる名所です。現地近くの道路の落石に注意が必要ですが、機会があればぜひ訪れてみてください。

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