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映画の中の昭和飯

 作家、生活史研究家の阿古真理さんによる連載コラム「映画の中の昭和飯」が毎週木曜夕刊の旅食面に掲載されています。「映画の見方が深まった」というご意見をいただくなど好評です。(小)

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自分が見た映画の中では、10月8日の第7回でも紹介されていた是枝裕和監督作品「そして父になる」の食事シーンが、とても印象に残っています。

取り違えられた実子を迎え入れるお祝いに、すき焼きを準備する野々宮家と、みんなで持ち帰りの餃子をわいわいつつく斉木家。体面重視でお金持ちのエリートサラリーマンの家庭と、少し柄が悪くても家族の距離の近い庶民の家庭の対比を、効果的に表していました。

そういえば、昭和の名シリーズ「男はつらいよ」も、主人公の寅さんが柴又の「とらや」に戻ってくると、必ず食卓を囲むシーンになりました。(たいてい寅さんは、そこでおいちゃんやタコ社長とケンカして飛び出してしまうわけですが)。

連載でも指摘されているように、洋の東西を問わず、映画において食事は登場人物の来歴や背景、今後の展開を暗示する重要なモチーフとして機能してきました。なかでも、ハンバーグ、ラーメン、焼きそばといった「昭和飯」は、登場人物の幸せと結びついているような気がします。県内の高校演劇部が主人公のももクロ出演作「幕が上がる」でも、あの「炭焼きレストラン」が顧問と部員の連帯を強める場として登場していました。自分にとっても豪勢な丸いハンバーグは、昭和の少年時代の家族団らんの記憶に直結しています。

みなさんにとっての「昭和飯」は、どんな料理でしょうか?

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