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大空に映える駿河凧

 7日付朝刊「ソノ仕事×コノ絶景」で駿河凧の唯一の専門店「凧八」を紹介しました。浜松育ちの身としては、凧と言えば大きく、四角いもの。そのイメージとは全く違う凧の製作現場を一部見させていただきました。(の)

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 写真を見ていただくと分かるように、とても鮮やか。大きさもさまざまです。登場した後藤光さんは凧絵師で、下絵描きと色付けを担当しています。色付け作業では、染料を含んだはけで黄色からピンク、かば茶・・・と塗っていきます。絵柄は歌舞伎や武者など120人の人物のうち、定番の15程度を主に描いているそうです。絵柄ごとに色付けのパターンがあり、それに沿って塗るのですが、どこに何色を塗るかが体に染み付いていて、はけの動きが滑らかです。どんな仕事もそうですが、職人の動きにはむだがなく、見ていて飽きません。

     

 シリーズ7回目にして初めての女性。後藤さんは率直に思いを語ってくれました。仕事への愛情や思いを聞こうとすると、「作品と製品は違う。作品には心がこもっているが、製品にはない。私は製品を作っている。代々やってきたことを愚直にやっているだけ」と言うのです。余分なことは考えず、無心に描く。継ぐ者として、考えて考えて考えたからこその言葉もありました。

      

 なかなか目にする機会が少ない駿河凧。来年1月5日まではJR静岡駅構内ASTY「駿府楽市」と、「駿府匠宿」(静岡市駿河区丸子)で展示販売をしています。今月19日には富士市吉原の「鯛屋旅館 吉原本宿」でミニえと凧作り教室が行われます。関心のある方は足を運んでみてください。

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