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こだわりの普通

 連載「地の味 人の味」で、生ハムのプロシュートを生産している御殿場市の渡辺ハム工房さんを取材しました。驚くべきはなんといっても工房代表の渡辺義基さんが、海外の文献などを駆使しながら製造方法を独学で習得したことです。渡辺さんは「簡単ですよ」と謙遜しますが、いえいえ、そんなことはありません。(小)

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 プロシュートに使う豚肉は、信頼できる養豚業者から仕入れるすそのポーク。仕込みでは、腐敗の原因になる血抜きを徹底し、規定量の塩を満遍なくすりこみます。

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 15度に保たれた貯蔵庫では、迫力抜群の原木が、静かに熟成を続けています。室内に一歩入ると、チーズのような発酵臭に包まれ、思わずおなかがなりました。

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  取材中に感じたのは、渡辺さんの「普通」に対するこだわりです。なんとなくの「普通」ではなく、コスト、おいしさ、地産地消、安全、いろいろな条件を勘案した末に選んだ「普通」。「身近に手に入るものでおいしいものを作りたい」。独学で製造方法を学んだ渡辺さんの根底にあるものづくりの哲学がこの言葉に込められています。

 そしてこのプロシュート、ワインだけでなく、県内の地酒との相性が抜群なんだそうです。渡辺さんは店頭でバルを開いたり、各地のイベントにも出店しているので、機会があったら、両者の組み合わせをぜひ試してみてください。

 こちらで仕込み作業などの動画をご覧いただけます。

http://www.at-s.com/news/article/featured/culture_life/taste/196246.html

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