酒かすを料理に
月に1度、夕刊生活欄に掲載している「和で味わう旬の魚」。シリーズ8回目は1月末に「イワシのつみれかす汁」を紹介しました。静岡県内で生まれ育った自身は「かす汁」になじみがありませんでした。関西で初めて出合ったとき、「こんな料理があるんだ」と驚きました。みなさんはどうでしょうか。(の)
それ以来、時々作っていたのですが、どうもおいしく作れない。酒かすも余る。段々、作らなくなる。それが十数年以上の時を経て、久しぶりに機会がめぐってきたのが今回の取材でした。イワシつみれを作るため、イワシの手開きに挑戦。意外と面白い! 丸魚は処理に困って、結局買わないことが多いのですが、手開きができれば、イタリアンソテーや蒲焼などレパートリーは広がります。
そしてかす汁。そうそう、この酒かすの風味がいいのです。ほんのり甘い香り。飲むと指の先までじーんと温まります。とはいえ、なじみがない人にいきなりかす汁はハードルが高い。そこで教わったのが、みそ汁に酒かすを入れること。みその量を超えない程度に好みの量を加えます。後日、自身もみそ汁に酒かすを入れてみたところ、その風味とぽかぽか感にすっかりはまってしまいました。
酒かすと言っても、大吟醸の酒かす、純米吟醸の酒かすなど、いろいろ種類があります。また、銘柄や酒造場によっても出来上がる酒かすは変わります。違いが分かる舌かどうかはナゾですが、次に自分が酒かすを使うときは大吟醸の酒かすを使ってみたい! 紙面で紹介した「酒かすの和え物」も大吟醸のもので作ったら・・・。まだまだ寒い日もあります。皆さんもお試しください。
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