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コーヒーの新連載

 本日夕刊旅食面で連載「しずおか珈琲曼荼羅」を始めました。ここ数年「スペシャルティコーヒー」や「サードウェーブ」といった言葉が喧伝され、県内にも新しいカフェや焙煎専門店が次々と生まれています。いったいどんな背景からこのような潮流が生まれたのか、そもそも静岡におけるコーヒー受容の歴史はいったいどのようなものなのか、文化的側面から知りたいと思い、この連載を立ち上げました。(小)

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 第1章では、県内の関係者に話をうかがいながら、2010年代の新しい動きを紹介しています。初回は静岡市駿河区の焙煎店くれあーるの店主内田さんにご登場いただきました。内田さんは「コーヒーはグローバル経済の代表的な商品。そこを踏まえないと今の流れは見えない」と繰り返しました。
 コーヒーは、茶や日本酒と違って、生産地が海の向こうです。基本的に北緯/南緯25度の「コーヒーベルト」(およそ北回帰線と南回帰線の間)でしかコーヒーの木は育ちません。大きな市場がニューヨークとロンドンにあって、そこで世界的な豆の値段が決まっていきます。

 一方風下の日本では、焙煎技術やドリップの手法が発達し、喫茶店が各店オリジナルの「ブレンド」を競い合うようにもなりました。連載でも触れた米ドキュメンタリー「ア・フィルム・アバウト・コーヒー」には、東京青山の名喫茶大坊珈琲(2013年閉店)のマスター大坊さんが登場します。大坊さんのコーヒーを淹れる所作は、まるで茶道のようです。日本の喫茶店文化は、米西海岸のカフェスタイルに影響を与えたといわれています。外国人にはゼンマスターのように映るのかもしれません。

 大坊さんは「コーヒーをつくる人が100人いれば、100通りのこだわりがあり、飲む人が100人いれば、100通りの好みがある」と言っています。やはりどこか禅問答っぽい。茶道とコーヒーの関係などにも、ゆくゆくは触れられたらと考えています。

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