すたすた坊主
しずおか地酒研究会のツアーで沼津市原の松蔭寺を訪れました。江戸時代中期に同寺第5代住職だった名僧白隠禅師の書画がたくさん飾られていて、眼福の限りでした。(小)
「駿河に過ぎたるもの二つあり。富士の高嶺と原の白隠」と賞賛された白隠禅師は、禅の教えを広めるためにたくさんの書画を描きました。文化・芸術面の連載「ニッポンの素朴絵」第9回でも紹介されていますが、釈迦や観音菩薩が、いずれも融通無碍な筆致でえがかれていました。
個人的には、「すたすた坊主」にはまりました。お伊勢参りを代行するかわりに金銭を要求する江戸時代の一風変わった職種の男を、禅師は赤塚不二夫のでかぱん先生のようにユーモラスに造形しています。作品の由来については、禅師の業績にめっぽう詳しい県職員の方に教えていただきました。無関係のほかの来館者の方が、お寺の関係者と勘違いして、次の解説を頼んでしまうほどでした。
来年は禅師の250年遠忌です。文化生活部でも積極的に禅師の魅力を紹介できたらと思っています。
白隠禅師の達磨のラベルで知られる高嶋酒造さんも訪問しました(研究会としてはこちらが本命)。新商品を研究する実験室は大学理学部のラボのようでした。
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