グランシップで大向こう
6月下旬、静岡市駿河区のグランシップ伝統芸能シリーズ「国立劇場 歌舞伎鑑賞教室」を取材も兼ねて拝見しました。和服で着飾ったファンで埋まったロビーは、華やかな雰囲気にあふれていました。歌舞伎鑑賞が晴れの気分を味わうものだということを感じられた鑑賞教室でした。(小)
当日実演されたのは「新皿屋鋪月雨暈-魚屋宗五郎―」の二幕三場。禁酒していた宗五郎が手違いで殺された妹の死を悲しむあまりに禁を破って酔いに酔い、嫁ぎ先の殿様の屋敷に乗り込むという筋書きでした。
主役の魚屋宗五郎を演じるのは、芝翫(しかん)の襲名が決まった中村橋之助。数年前に浜松で見た春風亭小朝師匠の「親子酒」でのへべれけっぷりも見事でしたが、橋之助演じる宗五郎の呑みっぷりも見事という他ありませんでした。さらに、宗五郎が杯を傾ける動作を止めた瞬間に二階席から、絶妙のタイミングで「成駒屋っ」の掛け声。声を掛けられた役者だけでなく、見ているこちらも気分が盛り上がります。
でも大向こうの掛け声ってどういうタイミングで誰が掛けているのでしょう。鑑賞歴の長い大先輩が市川猿之助の「ワンピース」の芝居で思わず「ルフィー!」と叫んでしまったと言っていましたが、そこはもう名人芸みたいなもの。というわけで、少し調べたところ「ほぼ日」にとても詳しい当事者の方へのインタビューが載っていました。やっぱり、いろいろしきたりあがって、奥深い世界のようです。面白いのでぜひ読んでみてください。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.at-s.com/mt1/mt-tb.cgi/56812