永六輔さん逝去
テレビ業界の黎明期から、放送作家、タレント、あるいは作詞家として、多方面で活躍してきた永六輔さんが亡くなりました。1990年代後半から2000年代前半に、たびたび講演に訪れた宝泰寺(静岡市葵区)の藤原東演住職に、永さんの人柄を物語るエピソードを12日朝刊紙面でご紹介いただきました。(小)
最初の講演は1990年代半ば、映画評論家おすぎさんとの対談だったそうです。トークイベント終了後、「僕に講演を頼んだ人は次も連絡してくれるものだけど」、と暗に次の開催を自ら催促。それ以来、別の用事が近隣であるときには、事前に電話がかかり、講演の日程を空けてくれたそうです。また、講演会当日は、早く来場した人を相手に自ら公演テーマとは違う話題を披露し、前説をしていたとか。住職は「一所不住の人」と表現されていましたが、まさにバイタリティーあふれる、人を楽しませるのが大好きな方だったそうです。1994年に出版され、200万部を超すベストセラーになった著書「大往生」では、死ぬことに対する心のあり方を全国各地の市井の人たちの言葉を借りて説いていました。
ご本人は2000年代後半から体調を崩していたそうですが、自身の冠ラジオ番組をつい先月(!)まで続け、今年2月には大橋巨泉さんと一緒に車椅子に乗って「徹子の部屋」にも出演していました。これも体調の悪さや老いを人に見せないのではなく、そのときそのときのありのままの姿を明るくオープンにさらし、社会と関わっていくべきという「大往生」の哲学だったようにも思います。R.I.P。
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