土で描く

 24日から長泉町のヴァンジ彫刻庭園美術館で始まる「生きとし生けるもの」展の参加アーティスト浅井裕介さんの創作現場を取材しました。(小)

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 浅井さんはボランティアスタッフの人たちと、庭園に設置された壁面に、無数の動植物を描いていました。
 描く素材は、地面から採取した土。いくつか種類を混ぜてちょうどいい色合いにしていきます。浅井さんによると、描くのに向いている土と不向きな土があるそうです。向いているのは粘土質の土。灰や石を砕いたような土は、うまくキャンバスに接着せず不向きなんだそうです。「絵の具のように、画材として加工されていないので、こちらが土とコミュニケーションを取る必要がある」という浅井さんの言葉がとても印象的でした。

 描かれている動物はオオカミにも鹿にも見えます。ボルヘスの「幻獣辞典」にも登場しそうな、優しくて不思議な感じです。美術館を入ってすぐのところから眺めると、芝生と空の間にちょうど動物たちがたたずんでいるように見えました。 

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 展覧会は11月29日まで。浅井さんの他、ミロコマチコさんら動物をテーマに創作している14人の作家(いずれも今注目のアーティストばかり)の作品を鑑賞できます。

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