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日周鉛直移動

 毎週月曜朝刊の科学面で連載している「駿河湾の神秘」。第9回では、駿河湾にすむ動物プランクトンの主役カイアシ類(甲殻類)に焦点を当てました。(小)
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 表層にいるカイアシ類は、豊富な植物プランクトンを食べて成長しますが、競争が激しいため環境に最も適合した種類が、個体数を効率良く増やしています。一方、餌の少ない深海では、個体数は少ないものの競争がゆるやかで、より多くの種類が生息しているそうです。中には、捕食者に見つかりにくい夜間に表層へ移動し、日中は光の届かない深海に潜む種類もいます。これを日周鉛直移動と呼びます。
 プランクトンではありませんが、私たちになじみ深いサクラエビも日周鉛直移動を行うことが知られています。サクラエビは日中、水深200~350メートルの海底近くにいますが、日没近くに浮上し、夜間には浅い層で群れを成します。ゆえにサクラエビ漁は夜間に行われるのだそうです。
 最大水深2500メートルに達する駿河湾に生物は、不思議にあふれています。連載も後半に入りました。これからは深海にすむ生物の紹介が中心になります。ご期待ください。

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