米原万里さん
先週、弊紙朝刊のコラム「清流」で米原万里さんについて、少し触れました。今年は没後10年。時がたつのは早いですね。大手出版社が米原さんの文庫本に共通の帯を掛けたフェアを行っています。出版社の垣根を超えた取り組みに、あらためて彼女の存在の大きさを感じます。そして、出版社ごと、帯の言葉が異なり、各編集者の米原さんへの愛があふれています。記者も、時代のエッセンスを見抜く観察眼、毒舌なユーモアが大好きでした。(岡)
先日、彼女の本をいくつか読み合う(感想を楽しくおしゃべりする)会がありました。父親の仕事で、少女時代を社会主義時代のプラハで過ごした米原さん。その経験から生まれた小説は息付く間もない展開です。中でも、小説のタイトルになったルーマニア出身のアーニャ、彼女の生き方に注目が集まりました。分厚い『オリガ・モリソヴナの反語法』も、ロシアをめぐる歴史小説であり、ミステリー。帯に書いてあるよう「ページをめくる手がもう止まらない!」。弊紙夕刊コラム「窓辺」で9月末まで登場されていたセルビア在住の山崎佳代子さんのお話ともどこか重なり、東ヨーロッパの歴史に向き合う機会となりました。
秋の夜長、読書にちょうどいい季節になりました。皆さんはどんな本を読まれますか?
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