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増える男性介護者

 26日夕刊くらし面に男性介護者についての記事を掲載しました。主に女性が担っていた介護も今は男性が増えています。同じ介護というものを担うのに男女差があるのだろうか。取材の出発点はそんな素朴な疑問からでした。(の)

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 2年前の夏ごろ、初めて男性介護者交流会に参加しました。女性が混じることで何かの妨げにならないだろうか、と心配しましたが、快く受け入れてくれました。男性は弱音を吐きにくく、女性がいればなおさら。また、生真面目で思いつめやすい傾向があるそうです。ただ、私が参加した会の皆さんは淡々と自らの状況を話していました。それもそのはず、当時の参加者はほとんどが数回、もしくは数年参加していて、ある程度乗り越えていたのです。また、交流会の場に来るだけの、ある意味での「余裕」というか、心の隙間があったのだと思います。

 1970~80年代ごろは、介護のために女性が離職するのが当たり前で、自治体によっては表彰する制度もあったといいます。「介護の社会化」へ介護保険制度が導入されて16年。さまざまな課題が持ち上がっています。ことし3月、「介護離職のない社会をめざす会」が設立されました。設立発起人に名を連ねる樋口恵子さんは、「いのちの始まりを支える育児と、いのちの終わりを支える介護は、人間にとってかけがえのない重要な営み」「介護は人間にしかできない大切な営みであり、いわば人間の証明です。その介護を社会にどう位置づけるかは、その社会の文化のあらわれです」(「明日の友」より)としています。一朝一夕には何も変えられませんが、男性介護者が抱えるもの、現状を社会に知ってもらうこと、そして、1人で抱え込まず、場に足を運んでみようかと思ってもらえたらと願っています。

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