ルリユール

 昨日27日の夕刊くらしプレミアムで、「本の修理」を専門に行う職人さん、稲葉忍さんをご紹介しました。まっすぐ緻密に整然と。彼女の仕事ぶり、手製本の世界に感じた印象です。糸とじの工程を何度か見せていただきましたが、やはり素人には理解するのが難しく、それでこそ、本の奥深さに惹かれた取材でした。(岡)

ルリ①.JPGルリ②.JPG


 

稲葉さんがイタリア旅行で出会った手製本ノート(右側2冊)。絵画修復の仕事にも興味をもたれていたそうです。

スモーキー②.jpg

 今回、修理された『カシンの少女』のカシンは旧ソ連、モスクワに近い小都市の名前です。16歳のイーナの日記から始まります。学生生活を送っていた普通の少女。その彼女がたどったとても短い人生に、当時の時代背景を感じずにはいられませんでした。日本で出版されたのが1952年。戦後間もない冷戦の時代、東側の少女の日記が日本で翻訳された経緯にも興味があります。と、いろいろ深読みしてしまうのですが...。

ルリ③.JPG

 修理を終え、装い新たに静岡市の古書店「水曜文庫」の児童書コーナーに並んでいます。いせひでこさんの絵本「ルリユールおじさん」もすてきなお話です。

水曜文庫.jpg

 

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