詩作の常識に新風 連詩の会
今年で17回目となった「しずおか連詩の会」が、グランシップなどで行われました。詩人3氏、俳人1氏が3日間かけて、順番に詩を作ります。前の人が敷いたレールに乗っかったり、急ハンドルを切ったり、どのような詩になるのか予測は不可能。「風の千層」のキーワードでスタートした全32編を、11月21日朝刊に掲載しています。(宮)
連詩の会というと通常、「一流詩人5氏」というところですが、開催年によって歌人や音楽家、小説家などが加わることも。すると「これぞ詩作り」という常識に新風を吹き込みます。今回は詩人の野村喜和夫さん、高貝弘也さん、暁方ミセイさんの中に、浜松市出身の高柳克弘さんが俳人として初参加。俳句の面白さとなる「ミスマッチの妙」を尽くした詩が次々に投入され、それを受けた詩人も華麗に反応しました。下痢、ポケモン、ブラック企業などの俗っぽい言葉は、イメージとして分かりやすくもあります。
素人から見ると、どちらも研ぎ澄まされた感性を持つ言葉のプロ。あっちが作れるなら当然こっちも得意だろう、などと勝手に思っていましたが、それはだいぶ違う模様。高柳さんは詩の豊かな表現に驚き、「まともに戦ってはだめ」と、俳人らしさを貫くことに徹しました。一方、詩人の3氏は、「俳句ならではの諧謔の富を持ってきてくれた」「即吟もさすが」と感心しきりの様子でした。
19日までの創作を終え、20日に作品発表会が開かれました。創作の過程を包み隠さず解説する4氏の姿にも親しみを感じました。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.at-s.com/mt1/mt-tb.cgi/57939