マンションの一室は本でいっぱい! 2LDKの書店・フェイヴァリットブックスL(浜松市浜北区)~くらしプレミアム「本と人 つなぐ新しい形」
9月28日付夕刊「くらしプレミアム」は、新たな形で本と人との出合いを演出する書店や、読書室を取り上げました。そのうちの一つ、マンションの一室で営業する「フェイヴァリットブックスL」をご紹介します。(旭)
お店は1枚目の写真の通り、何の変哲もないマンションの一室。玄関先に折り畳み式の看板がなければ、気付かないでしょう。音楽好きらしく、ビートルズのTシャツを着た店主の高林幸寛さんが迎えてくれました。
「フェイヴァリットブックス」は昨年まで、お隣のマンションの1階でよくある「町の本屋さん」として営業していました。「町の本屋さん」ではありますが、高林さんのセンスを感じさせる音楽やサブカルチャーの本の品ぞろえが手厚い印象でした。実は以前、(旭)は近くに住んでいてよく利用したので、一度閉店したと聞いたときは、残念に感じていました。
店を移してからは、以前の常連はもちろん、「マンションの本屋さん」を面白がって来てくれる人もいるそう。「初めて来てくれる人は、若い人が多いですね」(高林さん)。
玄関を開けると、靴箱の上にも早速本棚。美術雑誌が並んでいます。
玄関を上がった右側の洋室には、以前のお店のラインナップを引き継ぎ、音楽や文化にまつわる書籍が多く並んでいます。
さらに店(部屋?)を進むと、リビングがレジカウンターになっています。キッチンのシンクやコンロ台もそのまま。小さなカフェにもなっていて、ここで高林さんがコーヒーをいれてくれます。
和室は畳もそのままで、冬はこたつになるちゃぶ台が置かれています。和室の書棚は児童書や教育書、絵本が中心。「こたつでコーヒー飲みながら、いろいろしゃべって本を紹介します。前の店より、お客さんと話せる時間が長くなって良かったですね」と高林さん。ここではイベントを開くことも。「何度かやって、キャパシティ(定員)は20人が限界、ということが分かりました」と笑います。
休業中、「自分は本当に本が売りたいということを気付かされた」という高林さん。
以前からの常連客に、休業中どこで本を買っていたかと聞いたら、「ネットで」という人が多かったといいます。「本屋が閉店すると、別の本屋に移るのではなく、ネットに流れてしまう」と実感したそうです。だからこそ、以前より、売り上げは少なくなりましたが、「本屋がこんな形でやれるというのを見せていきたい」と意気込んでいます。
フェイヴァリットブックスL
住所:浜松市浜北区中条1490-1 ハピネスマルカ203号室
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