全国屈指の"秘境駅"を初体験! 駅ノートに驚き~しずおか駅舎探訪(14)JR東海・小和田駅~
10月5日付夕刊「旅食」の連載「しずおか駅舎探訪」。第14回は全国屈指の"秘境駅"、JR東海飯田線の小和田駅です。今回は案内役はおらず、一人で取材に向かいました。鉄道ファンには有名な小和田駅、何度か通り過ぎたことはありますが、一体どんなところなんでしょうか...(旭)。
私が乗ったのは、小和田駅午前11時19分着の天竜峡駅行き。降りるのが私だけだったらどうしようか...と思いましたが、さすが人気の秘境駅。休日と言うこともあり、男性2人のグループ、取材に応えてくださった男女3人のグループ、男性の一人旅、そして私と7人が降り立ちました。
駅舎の入り口にはこんなヘッドマークが。皇太子さまと雅子さまご結婚の際、走った貸し切り列車のヘッドマークのようです。
記事では、駅に置かれている「思い出ノート(日記)」を取り上げました。待合室の事務机に置かれ、駅を訪れた人たちが、どういうルートで訪れたかや、感想などを記しています。
ノートがスタートしたのは、1979年。当時の駅員の発案だったそうですが、車で行くこともできない駅に、38年前は駅員がいたというのが、少し驚きです。駅の出札窓口の跡には、旧国鉄のキャンペーン「いい日旅立ち」(1978年~84年)のロゴが入ったシールがまだ残っていました。
ノートには、青春18きっぷで降りたという「乗り鉄」さん、小和田駅以外にも飯田線にある秘境駅を「はしご」をする人、家族連れやカップルで来た人、保線や電気設備の仕事で来た人...さまざまな人が訪れた証しを残しています。
中には「ノート置いておきます」「時計がなかったので、置いておきました」「ボールペンを置いておきます」という書き込みも。無人化以降は、ファンによって丁寧に管理されていることが分かりました。
もちろん、私も一言、書き残してきました。しっかりとこの連載「しずおか駅舎探訪」の宣伝も忘れずに(笑)。
駅前はご覧の通り。眼下には天竜川の流れが見えます。通じている道は、舗装されていない細い道しかありません。
「散策道入り口」と書かれた看板の案内に導かれて下るとすぐに、1993年の皇太子さまと雅子さまご結婚の際に作られたペアベンチが残っています。
さらに下っていくと、こんな廃車が転んでいます。懐かしいオート三輪のダイハツ・ミゼットでしょうか。周囲には道路もないので、以前は橋で通じていたという対岸から来て、何らかの理由で放置されたのでしょうかね...
周りには、一緒に駅を降りた数人だけ。セミや鳥の鳴き声が聞こえるだけで、景色を独り占めしたような感じになります。
ここまでは駅から歩いて数分。さらに40分ほど進むと、集落にたどり着けるようですが、運動不足で脚に自身のない私はここで駅に引き返し、駅ノートを眺めていました。一緒に駅を降りた人は皆さん集落まで歩いたようです。
そうこうしているうちに、午後1時19分着の次の下り電車が到着。この電車からも一人、降り立ちました。
さらに23分後の午後1時42分、今度は上りの豊橋行きが到着。私はこの電車で駅を後にしました。
記事にも登場いただいた旧水窪町役場職員で、今は水窪駅近くの観光施設「塩の道 国盗り」代表の守屋盛明さんは小和田駅の"入門編"として、この「午後1時19分着~午後1時42分発」のコースを案内します。「滞在時間は23分。秘境駅の"プチ体験"ができますよ」と薦めます。
私は取材のためにノートをめくるだけでも2時間ほどが過ぎ去っていきましたが、ひとまず興味のある方は"プチ体験"から初めてみてはいかがでしょう。ノートを見ると、何度も訪れる方もたくさんいらっしゃるようですよ。
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