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貴重な文化財を特別公開「京の冬の旅」1・妙覚寺~狩野派や戦国武将ゆかりの寺

妙覚寺①.JPG 1月18日付夕刊「旅食」は、京都の定期観光バスに乗車し、特別公開中の寺社を巡ったルポ「幕末足跡訪ね京へ」を掲載しました。
乗車した定期観光バスのコースは、京都市などが主催する観光キャンペーン「京の冬の旅」の一環で、市内の寺社などが通常見られない文化財などを巡ります。「くらしず」でも、紙面で掲載しきれなかったポイントなどを順次ご紹介していきます。(旭)

 今回乗車したのは、京阪バスが運行する定期観光バスの「全箇所『京の冬の旅』初公開を巡る 京の建築・名宝めぐり」コース(大人9200円)。JR京都駅烏丸口を午前10時10分に出発し、昼食付きで約6時間。2018年3月18日まで毎日運行しています。

 なじみのない方もいるかと思うので、「定期観光バス」について、少しご紹介します。定期観光バスは、バス事業者が設定した観光コースを巡っていくバスツアーです。扱いとしては「路線バス」になるため、当日でも空席があれば乗車可能で、一人でも気軽に乗れるのが特徴です。東京の「はとバス」の多くのコースもこの定期観光バス。静岡県内でもしずてつジャストラインが、久能山や日本平、三保松原を巡るコース、東海バスと伊豆箱根バスが、伊豆の名所を巡るコースを運行しています。
 全国有数の観光地・京都も、数多くの定期観光バスコースが設定されています。京阪バスによると、京都での定期観光バス運行が始まってことしはちょうど90年。国内でも「老舗」の定期観光バスです。

妙覚寺②.JPG 今回乗車したコースが最初に訪れたのは、京都市上京区の妙覚寺。1348年に創建された日蓮宗の京都十六本山の一つです。日本画派、狩野派の菩提(ぼだい)寺でもあり、狩野元信、永徳の墓所もあります。

妙覚寺③.JPG 妙覚寺は、戦国武将ゆかりの寺でもあります。一介の油商人から美濃国の領主に上り詰めた斎藤道三は、少年期にこの妙覚寺で得度をしています。この書状(レプリカ)は、道三の遺言状です。
後に道三の息子は妙覚寺の住職となり、また道三の娘、濃姫は織田信長に嫁いだことから、信長は上洛の際、妙覚寺を定宿にしていたそうです。信長が討たれた本能寺には、わずか三度しか泊まったことがなく、もし妙覚寺に泊まっていたとしたら、歴史も変わっていたのかもしれません。

妙覚寺④.JPG  本堂では、画家の塩澤文男さんが四天王と釈尊顔面像を描いています。5月には開眼供養祭が開かれるそうです。

妙覚寺⑤.JPG 本堂から見えるのが、境内の「華芳塔堂」。洞内には、木造の多宝塔「華芳宝堂」があり、その中の石塔には、日蓮聖人が比叡山で修行中に書き写したとされる法華経が納められていると伝わります。堂内は非公開です。

妙覚寺⑥.JPG 妙覚寺で最も目をひくのが、狩野元信作と伝わる「大涅槃図」。幅4・6メートル、高さ5・9メートルと圧巻の大きさです。一般への公開は初めて。大切にされてきたからか、その時を超えた美しさにも驚かされました。
(続く)

(注:紹介した写真の中には、取材として撮影を特別に許可された箇所もあります。一般来訪者は撮影できない場所もありますので、ご了承ください)

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