大地震からの復興、まだ途上~ネパール出身・仏具修理職人のグルン・ビル・バハドさん(浜松市浜北区)
1月22日の「ワタシ、シズオカ人」は、ネパール出身の仏具修理職人グルン・ビル・バハドさんをご紹介しました。(旭)
ビルさんは、ネパールと中国の国境近くにあるチャリスという標高2千メートルの小さな村の生まれです。首都カトマンズから車で行ける道路はなく、歩いて2~3日間掛かるそうです。若い頃は、山岳ガイドやトレッキングガイドを務め、そこでネパールに観光に訪れた妻の真理子さんと出会いました。
大切な物を紹介する「ココロのよりどころ」でも紹介した高品質の水晶の山地、ガネーシュヒマール近くの高地で鍛えた体は今も健在。ビルさんの兄弟が日本を訪れ、一緒に富士山を登ったときは五合目から頂上まで、2時間余り(!)という驚異的なスピードで登ってしまったそうです。
ビルさんが今、熱心に取り組んでいるのは、故郷チャリス村が属するダーディン郡の復興支援、特に学校の再建です。2015年4月に発生したネパール大地震の際、ビルさんはたまたまネパールに帰国中で、首都カトマンズで地震に遭いました。直後から支援を呼び掛け、当時静岡新聞の紙面でもご紹介しました。これまで、浜松市民を中心に浄財を集め、復興住宅の資金に充ててきました。当面の生活が復旧した後は、「これからのネパールを作る子供たちのためになりたい」と、支援先を学校に集中させています。
ビルさんは2月、再び母国を訪れて現在も滞在中です。ビルさんの活動を支援する浜北ロータリークラブが仲介して日本の外務省の支援も取り付け、再建数はさらに増えるようです。
地震から間もなく3年。ネパールの民族的な事情もあり、特に山間部は今も復興が行き届いていないそう。「子供たちの教育の場から」というビルさんに、母国の将来を考える強い思いを感じました。
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