静岡新聞　文化生活部記者ブログ「くらしず」　紙面にプラス、こぼれ話いろいろ

　４月１２日の夕刊「地域おこし隊推薦　里でホレたこの逸品」は焼津市・山下商店の「黒はんぺん」をご紹介しました。推薦人は焼津市の地域おこし協力隊員、田中秀典さんです。（旭）

　魚河岸シャツがキマっている愛知県豊田市出身の田中さんは、都内や名古屋で企業のホームページ制作の仕事をしていました。昨年１２月に移住して以来、「ほぼ毎日食べている」という黒はんぺん。静岡県民にはおなじみの食材ですが、「フライにしたり、あぶって酒の肴にしたり。１袋１００円以下なのに本当にうまい」と、静岡県民は少し照れてしまいそうになるくらい絶賛してくれます。
　移住早々、田中さんにとって「熱愛グルメ」になった黒はんぺん。焼津市内の業者の黒はんぺんをさまざま食べ比べたそうです、その中でも「甘みが程良い」と山下商店の品を気に入っているようになったそうです。

　店主の山下善実さんにも、田中さんと一緒にお話をうかがいました。田中さんが甘みに言及すると、山下さんは「元々、駄菓子屋のおでんだねだから、甘さが大切」と教えてくれます。山下商店は、甘味料は使わず、砂糖のみ。「うちは水分とかでカサをごまかしていないから、あぶってもあまりふくれないよ」と誇らしげに語ってくれます。私も試してみましたがが、確かにきれいに焼き目が付きます。

　かつての経験を生かし、焼津市の移住定住応援サイト「やいづライフ」の運営に携わっている田中さん。実は田中さんも一緒に山下さんへ取材していました。今後、サイトのどこかにその成果が見られるかもしれません。