南国の味「マンゴー」を静岡市で栽培。「ソノ仕事×コノ絶景」才茂祐二さん
21日付朝刊・「ソノ仕事×コノ絶景」は、静岡市駿河区安居でマンゴー栽培する生産者、才茂祐二さんを紹介しました。(柏)
取材で訪れたのは5月中旬、雲ひとつない快晴のこの日、ハウス内部は夏のような暑さでした。少し作業をするだけで頬を汗が伝います。「好天のおかげで例年より育ちが早い」という今年のマンゴー。この日は樹上完熟した実が自然落下した時に実を受け止める、ネットを1つ1つ実に付ける作業が進められていました。才茂さんが育てるマンゴーは全部で5品種。写真に写っているのは一般的に最も流通している品種アーウィン(通称アップルマンゴー)です。それなりに色付いているように見えますが、食べるにはまだまだ。記者もKカメラマンも、味を頭の中で妄想しながらの取材となりました...。1年に1作のマンゴーは、年間を通して手間ひまを掛けて育てられます。年中、剪定(せんてい)や施肥など手入れが必要ですが真冬の1~2月、花が咲き始めたらハウスにミツバチを放します。受粉され実った果実はやがてすーっと伸びた花穂1本に対し、1個にまで摘果されます。選ばれた実は1つ1つ手作業で、傷をつけないようにひもで吊るし上げられます。360度からまんべんなく日光を当てるためです。
味や実つきを良くするために、才茂さんが手間を惜しまないのが「独自の肥料づくり」。米ぬかや魚粉などにEM菌の力を生かした発酵肥料は完全オリジナルで、大量に作って青いたタンクに詰め込み、しっかりと熟成発酵させます。長年栽培している葉ショウガやイチゴ栽培でもこの肥料の効果は実証済み。香り豊かで濃厚な味にするために欠かせないそうです。においを嗅がせてもらうと・・・、酸っぱいような甘いような、独特の香りがしました。ブレンドの具合も時々変えたりして、研究を重ねているそうです。
「あばれん坊から素直な子まで、品種によって性格がいろいろだね」と才茂さんの言葉からはマンゴーへの愛情が伝わってきました。
スーパーなどでの販売はせず、予約注文販売に限定しているのは「一番みずみずしくて味がのったピーク時に、消費者の手元に届けたい」との思いから。
静岡市内でたった一人、孤軍奮闘中の才茂さんのマンゴー。不定期ですが自宅脇の直売所には、いわゆる「はねだし」の規格外商品が並ぶこともあります。ぜひ電話で在庫をご確認のうえ、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。「さいもファーム」のブログでも、状況をアップしていくそうです。
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